保育者として働くことのできる施設には、いろいろな種類があります。各施設の特長や必要なスキルを理解し、あなたの目指す保育者像のイメージを星美で一緒に具体化していきましょう。
- 幼稚園
- 幼稚園は、小学校や中学校、高校、大学などと同じように、学校教育法に定められた「学校」です。「幼児を保育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的(学校教育法第22条)」としています。
ただし、小中学校のような義務教育機関ではありません。満3歳から小学校就学の年の満6歳になるまでの幼児に入園資格があります。幼稚園の保育内容は、文部科学省による「幼稚園教育要領」に定められており、これにしたがって、「幼稚園教諭」である、いわゆる幼稚園の先生が保育を行います。
- 特別支援学校
- 特別支援学校は、視覚障がい者、聴覚障がい者、知的障がい者、肢体不自由者、または病弱者(身体虚弱者を含む)に対して、幼稚園、小学校、中学校または高等学校に準ずる教育を施すとともに、障がいによる学習上または生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的としています(学校教育法第72条)。教育活動は、特別支援教育の理念に則って行われています。
特別支援学校には、幼稚部、小学部、中学部、高等部、「高等部の専攻科」があり、入学資格はそれぞれ幼稚園、小学校、中学校、高等学校、「高等学校の専攻科」に準じています。
- 保育所
- 保育所は、親(保護者)からの申し込みにより、親が働いている、病気の状態にある等の理由により保育を必要とする場合に、家庭に替わって子ども(0~6歳の就学前の乳児および幼児)を保育(養護と教育が一体となった保育)するため、児童福祉法に位置付けられた「児童福祉施設」です。
子どもの健全な育ちを支え、適切な保育所運営がなされるよう、国の法律や通知によって保育所の設置や運営に必要な基準(職員、食事・栄養、施設整備、保健衛生等)が定められています。これらの条件を満たし都道府県知事の認可を受けた施設が「認可保育所」です。また、子どもの保育のみならず、親や家庭に対し必要に応じて助言や支援を行ったり、保育所を利用していない子育て家庭に対しても子育て相談を受けるなど地域の子育て支援を行なっています。
- 児童館
- 児童館とは、子どもに遊びを提供し、子どもたちの健康の増進と情操を豊かにすることを目的とした屋内型の児童厚生施設です(児童福祉法第40条)。児童館は子どもたちの家庭以外の居場所としての役割があります。近年では、地域子育て支援拠点の機能が強化され、地域の子育て家庭を対象とした活動プログラムや子育て相談にも対応しています。放課後児童クラブ(放課後児童健全育成事業)を併設する施設もあります。児童館には児童の遊びを指導する者(保育士、社会福祉士など)を配置することになっています。
- 療育センター
- 地域療育センターは、障がいやその心配のある子どもを対象に、早期発見と早期療育、各種療育相談、巡回訪問などを行って、子どもとその家族を支援するための専門機関です。医療機関や福祉保健センター、児童相談所、保育所、幼稚園、各種団体や関係機関とも連携をとり、地域の療育拠点としての機能を果たしています。
また、地域療育センターは、診療所(外来)・通園施設(通園)・福祉相談室(巡回・相談)の3つの療育部門で、各種専門スタッフが地域の中で子どもたちや家族が健やかに成長していけることを願い、相談・指導・援助にあたっています。
- 障がい児入所施設
- 障がいのある児童を入所させて、保護、日常生活の指導及び自活に必要な知識や技能の付与を行う施設です。福祉サービスを行う「福祉型」と、福祉サービスに併せて治療を行う「医療型」があります。
障がい児に対する施設は、以前は障がい種別ごとに分かれていましたが、複数の障がいに対応できるよう2012年度より一元化が行われました。ただし、これまで同様に障がいの特性に応じたサービス提供も認められています。
- 乳児院
- 乳児院とは、乳児を対象とした入所の児童福祉施設です(児童福祉法第37条)。家庭での養育が困難である乳児を養育し、退院後の家庭への相談・援助の役割を担っています。主として1歳未満の乳児を養育しますが、必要に応じて小学校入学前以前までの幼児も養育することができます。乳児院の職員には、施設長のほかに嘱託医、看護師、保育士、児童指導員、家庭支援専門相談員、里親支援専門相談員、心理療法担当職員、栄養士などが配置されています。一時的に養育が困難になった際に利用できるショートステイ(短期入所)やトワイライトステイ(夜間養護)を行っている施設もあります。
- 児童養護施設
- 児童養護施設は、2歳から18歳以下の児童を対象とした入所の児童福祉施設です(児童福祉法第41条)。保護者のいない児童や虐待を受けている児童など、養育上の問題を抱える児童を養育しています。子どもが安全で安心できる生活を送ることができるように、施設では環境を整え、できる限り家庭に近い環境の中で生活を送ることができることを目指しています。そのため、小規模化の取り組みが進められており、小規模グループケア(施設内での6~8人による養育)や地域小規模児童養護施設(グループホーム)の形態が増えてきています。